【魔改造】HHKBの静音化。この少しの違いにこだわる


先日投稿しました「すっきりデスク」に関する note 記事に多くの反響をいただきました。ありがとうございます。

「HHKB、Happy Hacking Keyboard の改造が参考になった」というご意見を複数いただきましたので、その詳細を記載しておこうと思います。

最高のキーボードHHKBをDIYで静音化しましょう。
みなさまの参考になれば幸いです。

!! 注意 メーカ動作保証外の製品、改造を紹介する記事です。本改造に伴う一切の故障、不利益について、当方はいかなる責任を負いません。ご自身の責任のもと、実施してください。


はじめに

HHKBで打鍵する際に発生するノイズ音は、3種類に分けられます。

1. 底打ちした際に発生するノイズ音
2. 筒部から発生するノイズ音
3. スプリングで押し戻される際に発生するノイズ音

今回はこれら全てのノイズを低減する改造方法をご紹介します。(頑張って描いた)キーの断面イメージ図で、それぞれ確認しておきましょう。

1. 底打ちした際に発生するノイズ音

主に、キートップ(青色)とボディ(薄いグレー)の間、そしてスプリング(オレンジ)と基板(グリーン・黄色)の間で発生するノイズです。


2. 筒部から発生するノイズ音
主に、キートップ(青色)とキーの受け部(濃いグレー)の間、キーの受け部とボディ(薄いグレー)の間で発生するノイズです。


3. スプリングで押し戻される際に発生するノイズ音
主に、ボディ(薄い灰色)とキーの受け部(濃いグレー)の間で発生するノイズです。


さて、一番ノイズが大きいのは、実は「3. スプリングで押し戻される際に発生するノイズ音」です。

「1.底打ちした際に発生するノイズ音」が一番大きいと思い違いをなさっている方もいるようです。と言いますのも、今回ご紹介するのは主にシリコン製のオーリングを取り付ける手法になりますが、Amazon などでオーリングのレビューを見ると、「1のノイズだけを低減するようにオーリングを取り付けておいて、ノイズが全然減らない」という低評価を見かけるからです。

底打ちする際のノイズはゴム質のパーツに挟まれているのでそこまで大きくないですし、そもそも底打ちしなければノイズ音は小さいです。一方、スプリングでの押し戻しは必ず発生しますし、ぶつかるパーツがプラスチック同士なのでノイズ音は相対的に大きいです。

正しく改造することで、これらのノイズ音を効果的に低減することができます。


準備・道具

以下のモノを用意しましょう。

1. Happy Hacking Keyboard
2. オーリング 120個
3. キートップリムーバー
4. プラスドライバー (奥まった箇所があるので先端が少し長いものが良い)

1. Happy Hacking Keyboard

必須ですね。え?お持ちではない?
では、ハードボイルドに行きましょう。無刻印・白・英字がオススメです。



2. オーリング 120個

下記の製品を1パック買えば120個をゆうに超えて入っていますので十分です。私はこれまで4パック購入して、3個のリングが切れた不良品でした。それくらいの品質と割り切って購入されるのがよろしいかと思います。



3. キートップリムーバー

FLICOのキートップリムーバーは、シフトキーやスペースキーといった大きいキーを外す際に使い勝手が良いのでオススメです。ですが、次に紹介するようなセット商品についているプラスチックタイプの方が、正方形の普通のキーを取り外す際は簡単です。

オーリングとキーキャップリムーバーがセットになった製品もあるようです。私は購入したことがないのでオーリングの品質はわかりかねますが、レビューを確認して調達するのも一案と思います。



4. プラスドライバー
以下の写真に登場するのは、PB SWISS TOOLSの精密ドライバーで、絶版です。ドライバー1本ごとにシリアルナンバーが振られ、トレサービリティも効くらしいです。とても高価ですが、一生物の精度と品質なので、工作を頻繁にされる場合はオススメのブランドです。


手順

1. キートップリムーバーで、キーを外します




2. プラスドライバーで外装を取り外す

全部で3箇所ビスどめされています。「DO NOT REMOVE」のシールの裏にビスが1つあります。旧型はビスの位置が違います。勢いよく剥がして、いざ保証外の世界へ。


配線の断線に気をつけて外装を外しましょう。


3. 緑色の基板についているビスを外す


ゴムパッドの部分は簡単にずれて中のスプリングがどこかに飛んでいってしまうので、要注意です。


こうなると直すのは一苦労です。


4. プラスドライバーで押し込んで、キーの受け部を取り外す

このとき、キーの受け部についている爪がほぼ100%折れますが、気にせず進みましょう。


コントロールキーなどは金具がついていますので、取り外す際・戻す際は注意です。写真を撮っておくと戻す際に混乱しません。


5. オーリングをキーの受け部に取り付ける

緩衝材としてオーリング(黄色)を取り付けることで、スプリング(オレンジ)が押し返してキーの受け部(濃いグレー)とボディ(薄いグレー)が衝突する際に発生するノイズを低減します。



左から順に、HHKB TYPE-Sの緩衝材がついた受け部、今回の魔改造であるシリコン製オーリングがついた受け部、両方がついた受け部です。


ご覧のとおり、TYPE-Sの緩衝材は薄く、静音化の性能はソコソコというのが個人的な感想です。静音化性能はTYPE-Sの緩衝材とシリコン製オーリングを同時に取り付けた時が最高です。しかし、緩衝材が厚すぎるため、キーが半押しされてる状態と認識されてしまう場合があり、キーボードとしての体をなしません。

シリコン製オーリングをはめた真ん中のタイプが、静音化の性能がよく、かつTYPE-Sを買うよりも安い状態なので、個人的にはオススメです。

6. キーキャップの裏にオーリングを取り付ける

今度は、底打ちする際のノイズ低減の改造です。


オーリング(オレンジ)によってキーキャップが下駄を履いた状態になりますので、キーキャップ(青)とボディ(薄いグレー)が当たらなくなります。



また、前述の手順5にて、キーの受け部にオーリングを取り付けると、キーがしずんでしまいます。そのままだと、スペースキーなど体の手前側のキーは打ちづらい状態です。その底上げとしても機能します。

左が手順5・6で上下にオーリングをつけている状態、右が手順5で下にオーリングをつけている状態です。


7. (オプション) シリコンスプレーを吹いて、筒部のノイズを低減する

ノイズ量としてはほとんど誤差の範囲ですが、極限まで突き詰めたい方は、キーの受け部にシリコンスプレーを吹くことをオススメします。これにより、キーのすべりが良くなるのと、本当に少しだけノイズが低減します。

8. 逆順に取り付け直して、完成!

ビスの締めすぎに注意です。締めすぎると基板が歪み、打鍵感が変わったり、誤作動が増えます。

取り外す際に、あらかじめ締め具合を確認しておくのが良いでしょう。


キートップはサードパーティ製品で好みの色に変えるとより気分が上がります。オススメです。


おわりに

いかがでしたでしょうか?
HHKBの静音化魔改造のご紹介は以上となります。

ノイズ低減だけでなく、打ち心地も滑らかになり良いことづくめです。保証は消えますが…

在宅勤務をする機会が増えて、HHKBで楽しく仕事をしていても、このノイズ音が気になることもあるかもしれません。
例えば、同居人や隣近所の生活への影響であったり、リモートミーティング中のキータッチノイズが指摘されたりといった場合です。それらの解消・改善に繋がると思います。

みなさまの、素敵なキー入力ライフに幸あれ!