「黒いアンカー」のその後


5ヶ月前、カメラ用アクセサリブランド Peak Design のプラスチックアクセサリ「アンカー」を黒く染める DIY の記事を公開しました。

今回は、その経過報告をお伝えします。
🔗 Peak Design の「黒い」アンカー - Unexplored.page

<2021年4月20日追記: 公式から発売された黒アンカーと見比べて比較評価しました>
🔗 黒いアンカー 公式の逆襲/DIYerの帰還 - Unexplored.page
<追記終わり>


はじめに

記事を公開したところ、予想以上の反響をいただきました。同じように染色された方もいらっしゃるようで、とても嬉しく感じています。

ところが、記事を公開してから1ヶ月後、2020年10月に「Peak Design x ZEISS」コラボレーションとして「黒いアンカー」が発売されることが明らかになりました。ZEISS の デジカメ ZX1 のための特注アクセサリとして展開されるようです。

ところがところが、2021年2月15日現在、日本では ZX1本体、アクセサリともに発売時期未定です。日本では依然として黒いアンカーを公式から調達するのは難しい状況ではあるものの、いつかは発売されるだろう、という状況となりました。


ZEISS ZX1 製品紹介ページより

このDIYの実験は、風前の灯火です。日本で公式の黒いアンカーが発売される前に、努力が無に帰す前に、状況を共有しておこうと思った次第です。

最初の記事を公開してから、染色の耐久性を試すために、アンカーの着脱を繰り返しました。また後日、余っていたアンカーを染色して、より濃くしっかり染めるための Tips も研究しました。これらの検討結果を共有します。


プラスチック染色の耐久性

プラスチック染色の耐久性を確認するため、以下の条件で着脱を繰り返しました。

なお、以降では、アンカーリンクスの着脱1セットを1回と数えます。

最初に染色した2020年9月以降、平日は 3回、土日は 50回 の着脱。2021年2月15日現在、おおよそ、2,500回 の着脱を繰り返したことになります。日常遣いの着脱回数は数えていませんので、実態はもう少し多い試験の結果です。

それでは、その結果をご覧ください。


いかがでしょうか。染色の違いや個体差はあるものの、ほとんど色落ちしてないことが分かると思います。

普通の使い方をしていると着脱しない日もあるでしょうから、2,500回 着脱しても色落ちしないというのは、十分な耐久性ではないでしょうか。

また、耐久性試験に利用したアンカーと同じタイミングで染色した、別のアンカーの縁を切り取ってみました。意外なことに、ごくごく表面しか染まっていないのが分かるかと思います。

それでも 2,500回 の耐久性があるというのは驚きです。



染色のTips

前回ご紹介した古い染色手順は、以下のとおりです。写真による詳細な説明は、前回の記事をご参照ください。

■ 旧手順
『1. Anchor を石けんで洗って、一日水の中に漬けておきます』
『2. ビーカーの中で、SDNの原液 10 ml と水 200ml (1:20) の割合で混交します』
『3. Anchor をビーカー内の SDN液に漬けます』
『4. 鍋の中央にビーカーを入れ、SDN液の水位を少し超えるように鍋に水を入れ、水温計を鍋に挿します』
『5. 加熱を開始し、適正温度で水温を維持します。割り箸で適宜混ぜます(80度前後で煮詰めました)』
『6. (省略しても良い) 長時間漬け込みます』
『7. (完成) 中性洗剤で洗い流したあと、風通しの良いところで乾燥させます』

その後、複数回にわたり、条件を変えながら染色を行いました。
アンカーを染める場合は、省略できる点や、パラメータを変更すべき点があります。

■ 新手順
『1. (同) Anchor を石けんで洗って、一日水の中に漬けておきます』
『2. ビーカーの中で、SDNの原液 30 ml と水 200ml (3:20) の割合で混交します』
前回紹介した手順よりも 3倍濃い希釈をオススメします。油っぽい黒光りの仕上がりが抑えられ、漆黒に染まります。

『3. (同) Anchor をビーカー内の SDN液に入れます』
『4. (同) 鍋の中央にビーカーを入れ、SDN液の水位を少し超えるように鍋に水を入れ、水温計を鍋に挿します』
『5. 加熱を開始し、適正温度で水温を維持します。割り箸で適宜混ぜます』
「90度で1時間煮込む」がベストです。前回の記事では「80度で40分間煮込んだ」と紹介しましたが、より高温で長時間煮込むと、しっかり濃くなります。

『6. 液を冷ます』
長時間の漬け込みは完全に不要な手順でした。手順5 でしっかり高温で煮込んだあと、ビーカーを手で持てる温度まで自然冷却させたら十分です。

『7. (同・完成) 中性洗剤で洗い流したあと、風通しの良いところで乾燥させます』

新手順で染色すれば、隅々まで、かなり深い黒に染まります。


おわりに

いかがでしたでしょうか?

ピークデザインの DIY黒いアンカーの経過報告でした。
黒いアンカーの公式発売を待てない方は是非お試しあれ。

(やっと実験 (苦行) から解放される!)

ちなみに、見出し画像をよくご覧いただくとストラップの「リーシュ」の赤い部分も黒くなっているのが分かるかと思います。これは油性マジックをしみこませて黒く染めました。リーシュの赤色も気になる方は、簡単なのでお試しあれ。